Betsy Jolasとは
ベッツィー・ジョラスとは誰ぞや?
1926年生まれの人とホームページに書いてあったけど・・・。
O Bachがどんな曲か、聞いてみたいものである。
この週末は、某全国大会で有名になりそうな気配のある、シュトラウスの「薔薇の騎士」組曲を聞いたり、ストラヴィンスキーの「弦楽四重奏のための三つの小品」(弦楽四重奏版とピアノ連弾版)と「管弦楽のための四つの練習曲」と「連弾のための踊り」の関連を確認したり、ラフマニノフの前奏曲をコラール、ガヴリーロフ、トルプチェスキで比較したりした。
で、ラフマニノフなんだけど、どうもトルプチェスキの演奏は、すたこらさっさ的に前に進んでしまうところが無きにしもあらずだと思う。あのガヴリーロフでさえ、トルプチェスキと比較すると、ラフマニノフの憂鬱さとか挫折とかが伝わってくる。どうも、トルプチェスキは、指がさらりと動き過ぎなのではないかと思う。一体、どういう才能があると、どんな難しい曲でも、あんなにさらりと指が動くのだろう。
ちなみに比較してみた前奏曲は2曲。作品23の2の変ロ長調と、作品32の12の嬰ト短調。
嬰ト短調の出だしなんか、トルプチェスキの演奏だと速過ぎてアルペジオであることが聞き取りにくい。ただのトレモロにしか聞こえない。録音のせいなのかもしれないけど。
これだけ指が動くんだから、いったいくるみ割り人形はどのように弾いたか、スクリャービンのCDもGETしたいところ。
レッスンで、先生から、どんな練習した?って聞かれるんだけど、ちゃんと答えられていないらしい。
Balのレッスンでは、音を大事に出すためにいい響きを頭に入れること、どのような和音を鳴らしたいか頭の中で想定してから弾くこと、跳躍の音もはずさないようにするには頭の中で音符を追いながら弾くこと、そんなことをあーだこーだ音を分解したり、手の甲の高さや指の付け根の使い方とか、いろいろやったわけだけど、こう書いてみると、実はどれも演奏法のほかは、大体、ソルフェージュの問題に帰着しているような気がする。それに、これらを実現するためには、集中力も重要なのだなと思う。
なかなかその集中力がね、本番に合致するかどうかって問題も、まわりとしてはしんどいんだけど・・・。
wergoのbugallo-williams piano duoを聞いとります。ストラヴィンスキー自身による春の祭典とかの連弾もしくは2台ピアノ用編曲のCD。
弦楽四重奏のための三つの小品は、まるで、結婚とかきつねのような感じ。調べてみたところ、作曲年代およそこれらの曲と同じだった。ピアノにするとそうだということがよくわかる。
ダンバートンオークスの出だしは、まるでミヨーの4台ピアノのためのパリを聞いているような感じ。なるほど、ピアノにすると自由に動き回るディアトニックな多声という共通点があるのかもしれない。
なかなか面白いCDかも。
バラキレフ作曲カセルラ(カゼッラ、カセッラ)編曲のイスラメイ聞いてますが、なんか滑稽なんですけど。ちなみに演奏は、グーセンス指揮フィルハーモニア。
カセルラに狂詩曲「イタリア」という曲がありますが、フニクリフニクラが出てくる曲です、この編曲はあんなようにごちゃごちゃした感じ。ヴィルトゥォーゾのすごい曲!という感じがしなくて、なんかちゃらちゃらしている。全体に響きが明るいです。中間部もなんとなくとぼけた感じがするし。
この曲のオケ編曲版は、ほかに、ゲルギエフがリャプノフの編曲版を録音してますが、あっちはたしかにロシアっぽい感じがするのに・・・。
ところでこのグーセンスの演奏の録音なのですが、呈示部最後の伸ばしのところにノイズがあるんです。2分23秒のところです。ちょと残念っ!でも、資料的価値抜群です♪
さらに、カップリングのグーセンス指揮ロイヤルフィルハーモニックオーケストラの展覧会の絵(ラヴェル編曲)ですが、譜読みの間違いがところどころあって気になります。オーボエとアングレの高いミのフラットで終わるフレーズもダメダメ。当時、この曲はそんなに知られてなかったのでしょうか?展覧会の絵は57年の録音です。
クープラン作曲ミヨー編曲の「サルタンの妃」より序曲とアレグロを聞きました。演奏はミトロプーロス指揮ケルン放送響。
序曲の部分はゆっくりで重たく、まるでミヨーの交響曲の緩徐楽章を聞いている様。
引き摺るようなしかし楽器がわんわんと鳴る弦のf。木管の高音のユニゾン。緩徐楽章と言えど、金管にピン(一本)で声部を渡す書法。トランペット、トロンボーン、ホルンがfで歌います。pの部分では、コーラングレも登場させ響きを重たくします。
テクスチャを変えて、フルートの二重奏が始まって驚きました。伴奏は弱音付き金管のアンサンブルです。
さらにテクスチャを変えて、高弦のソリを登場させるあたりもミヨーらしい。低弦にハープを重ねるところもミヨーらしい響きです。また、fでは、ユニゾンの高弦もhigh-high-cまで達します。
アレグロも、混沌としたミヨーの最終楽章の様。金管に内声、外声を渡し、かつ、細かい音も演奏させる。ピッコロがヒューヒューと風のように響くあたりも、まさにミヨー。ラスト和音でシンバルの一発が入るのもミヨー。
クープランを題材にしたミヨーの管弦楽曲と化したあたり、こういう個性がないと、歴史に名を連ねる作曲家とはならないのでしょうね。
さて、カップリングはスコットランドと宗教改革。久し振りにメンデルスゾーンを聞きましたが、いいですね~。スコットランドの3楽章を聞くと、あー、「歌」っていいなぁ、と思いますし、音を持続できる楽器ってやっぱいいなぁ、と思います。
ところで第2楽章は、なんかやたら速い気がするのですが、3分56秒。こんなもんでしたっけ?第4楽章の速い部分も速いです。
ミトロプーロスのイタリアがどのくらい速いか聞いてみたいですね。M先生とどちらが速いか (^_^;;;
宗教改革は初めて聞いたのですが、たしかにメンデルスゾーンの響きですけど、イメージ的にはシューマンの第1番、第2番と同傾向の曲という印象です。
タワレコがダブルポイントだったので、買おうと思ってたCDとかをGET。
・クープラン作曲ミヨー編曲「サルタンの妃」より序曲とアレグロ
ミトロプーロス/ケルン放送響
カップリングはスコットランドと宗教改革
・バラキレフ作曲/カセルラ(カゼッラ)編曲イスラメイ
グーセンス/フィルハーモニアとロイヤルフィルハーモニックorch
カップリングは、ロシアの復活祭、法悦の詩、展覧会の絵
・パッパーノのローマ三部作と日没
DVD映像付き (^_^)
・ストラヴィンスキー自身の編曲による2p作品集
春の祭典、弦楽四重奏のための三つの小品、ダンバートンオークス、七重奏曲、ムーヴメンツ、ダンス
これはめっけもん!
その他、店内ではカラヤンのチャイ4のDVDが流れてて、久しぶりにカラヤンの演奏聞いたけど、昔のスタイルだなぁという感じ。でも、オケは完璧です!やっぱ、3楽章の木管とかここまで細かい音符が聞こえてくると、チャイ4聞いてるという気になるよね。
その他、バンドジャーナルの地区大会の写真を拝見していたところ、ハープ奏者がカスタネットを持っている学校をハケ~ン!最近、日本にハープ奏者が増えて来たのかと思います。ときどき、ブラバンでハープやってました!という人に出会うくらいですから。
その他、トルプチェスキのスクリャービン/プロコフィエフ/チャイコフスキーのCDを探したが無し。原田英代さんのグリーグの抒情小曲集の新譜も探したが無し。
今日、東京駅を通過したので、ちょいと降りて、グランスタを覗いてみた。混んでいる!すごい混み様!話にならないので、パンフだけもらって帰って来た。
ちょっとケーキ屋を覗いたら、どこも高かった。軽く600円を超えていた。いつまで混んでいるのだろう・・・。
今日は早く寝るはずが、ペレルマン(ペレリマン)の番組を見てたら、こんな時間になってしまった・・・。今週は、トルプチェスキのラフマニノフのCDを何度も聞いているので、ロシアづいている。
さて、昨日は渋谷タワレコに、バラキレフ/カゼッラのイスラメイと、クープラン/ミヨーのサルタンの妃を探しに行ったのだけど、何やら明日からポイント2倍セールだそうで、何も買わずに帰って来たのだった。イスラメイのCDは実際、無かったけど・・・。
試聴コーナーでは、ポリーニのベートーベンのソナタの新譜やら、グリモーの皇帝+28番のCDとか聞いたり、店内BGMでは、アルゲリッチ+ナカリャコフのルガーノ音楽祭でのショスタコの1番のコンチェルト聞いたり、なかなか面白かったかも。
ポリーニの演奏する第2番の4楽章のアルペジオはすんごくサラサラっとしてて、まるでグリッサンドみたいに聞こえまする。アルゲリッチも味があるし、ナカリャコフのラストのラッパも、とても速いのに、速さを全然感じさせない、軽やかさで超びっくりです。
そうそうパッパーノの祭りも聞きました。演奏はおいといて、特典DVDにはすごく興味あり (^_^)/~~~
で、実はその街には、PAULなど、腐るほどあったのだった。犬も歩けばPAULにあたる、である。別の国の別の街に行けば、犬もワンブロック歩けばスタバにあたる、というところもあるけど・・・。
で、ある日は、歩き疲れてとうとうPAULで遅いお昼を取ったのだった。セントポール寺院の北側のポールで。
食べたのはポワロ葱のキッシュと、りんごベースのノルマンディのタルトと、ラテのラージ。この国の料理というものは端から端までまずいのだけど、こういう外国のレシピに沿ったものは、及第点なところが面白い。ハーゲンダッツのバノフィーも美味しかったし。
ポワロ葱のキッシュは、出してくれる前に一度温めてくれました。ノルマンディのタルトは、甘くなかったです。酸っぱかったです。りんごの酸っぱさを味わうタルトでした。ここの国のりんごジュースも酸っぱかったし。Balとしては(近代日本語では「Bal的には」)満足です。
ラテはエスプレッソの苦さがあってそれはそうなのかもしれないけど、もしかして、この国のミルクが、美味しくないので、苦さが引き立ち過ぎるのかもしれない、と思ってしまった。
デュトワ指揮の先週の木曜日のフィルハーモニアの定期。
この日のプログラムは、バルトークの中国の不思議な役人の組曲、ラヴェルのピアノ協奏曲のト長調、休憩20分を挟んで、またもラヴェルの高貴で感傷的なワルツ、最後はドビュッシーの海。
30分前にホールに着いたので、ホワイエで画像のとおりの晩飯。ショップでみやげを物色するが、とりたてて無し。
座ったのはバルコニー(3階席)の前から2列目の左右真ん中。ほぼ、指揮者の真後ろ。弦楽器の音圧のほか、多くの楽器の直接音は聞こえてこない席。今日は、鳴り物がたくさん。バルトーク用のピアノとラヴェルのピアノ協奏曲用のピアノと、2台のピアノが舞台に引き出されていた。このオケは、三々五々ステージに人が入ってくるスタイル。グロッケンのおじさんが、ずっと海の2楽章冒頭近くのfの短三和音の下降アルペジョを必死に練習しています。そんなにこれって難しいの?
一曲目。バルトークの中国の不思議な役人の組曲。弦は8型。クラリネットはエスクラ専属がいるので4人体制。ホルンは5人体制。
出だし、デュトワは、大きく両腕を振って、セコバをフル回転で動かし始める。ボントロのソロも安定している。ファーストゲームのクラも、比較的安心。
デュトワは、シーンは変われど、感傷的な要素をほとんどいれずに、どんどん前に進む。そこが、デュトワのいいところかも。
オケから多彩な音色が出始めたのが、サードゲームの中盤くらいから。やっぱ、この曲は、バルトークの作品の中でも、色彩が大変美しい。真に「不思議な」音色が、オーケストラから引き出されている。この日の演奏も、その例外に非ず。
ワルツが終わって、チェースはあっという間。
先ず、大太鼓の木のバチとマレットの違いの音色が聞き分けられることに驚く。例の変拍子の難しいところも難なし。そして、クライマックスでは、3階席といえども、大音量に圧倒される。
最後の和音とともに、会場は拍手に包まれる。イチタチは当然クラリネット。
続く、ラヴェルのピアノ協奏曲。弦は6型に縮小。
2楽章、オーボエのhigh-eが超美しい。ロンドンのオーボエって、上手い人多いですよね、昔に比べて・・・。こんなに厭味の無いショートは感激しまくりです。スイスロマンドにしても、フランスにしても、どこの国のオーボエもインターナショナルに、音がどんどん丸くなってきている感じがしますです。
アングレの長いソロ。もう少し音が抜けた方が好きですが・・・でも、安定してます。そういえば、一楽章のホルンのハイトーンのソロも安定していました。ファゴットのhigh-eは、もう一つ、抜けてもよかったかな。
この曲でも、最終和音とともに拍手喝采。オケで立たされたのは、アングレ、ホルン、ハープ、ラッパ、ファゴットの順。ファゴットは2番奏者も同時に立っていたけど、1番奏者だけでも良かったのでは?
20分の休憩の間に、ロビーに出て、さらに、バルコニーに出て、夕涼み(には寒いけど)。
席に戻る途中で、プログラム購入。デュティユは、その前の定期と次の定期も振るらしいです。その前の定期は、ルガンスキーをソリストに迎えて、ドビュッシーの遊戯、ラヴェルの左手のための協奏曲、後半が、ドビュッシーの映像(全部!)、ラ・ヴァルスで、次の定期が、ユンディ・リーを迎えて、フィンランディア、グリーグのピアノ協奏曲、惑星だそうで、この定期を含めて、盛りだくさん過ぎますね。
休憩中もグロッケンのおじさんは、しきりに下降アルペジオを練習しています。そんなに練習したら、失敗するよ!
さて、後半、ピアノは2台とも片付けられ、弦は8型に戻り、先ず、ラヴェルのワルツ。打楽器の小物類が、全然前にしゃしゃり出なくて、好感度◎。弦のしなやかな音色に、当然と言えば、当然だが満足。それから、またまたオーボエがhigh-eの美しさに唖然、呆然。この人、とてもやわらかい音色なのだけど、休憩中にクローイングをガーガーと良く響かせていただけあって、良く通ります。ちなみに、2番奏者は、ちょっとかたく通りも悪かったのですが。ちなみに、クラの2番奏者も1番奏者に比べて、固めの音だった・・・。
何番目のワルツだか、途中、をっ!この楽器は何だ!という音色が聞こえてきて、実は、異なる楽器のユニゾンだということに気が付きました。咄嗟にそのもとの楽器が何かということもわからないほどで、フィルハーモニアのお仕事、および、ラヴェルのスコアに感服しました。
楽しい第7ワルツのあと、ちょっと第8ワルツが、テンポがゆっくりめで、美しいけど、聴衆の集中力は落ちたかな?ってとこ。っていうか、少しもたれたことはなかったかな。スパイスとなっている各ワルツの回想が無ければ、完全に眠っていたかもしれません。
そして、ロンドンの聴衆の素晴らしいことに、第8ワルツが終わって余韻が無くなったころに拍手がわぁ~っと起こりました!で、デュトワは、ラヴェルのスコアをパタンと閉じて登場。
最後、海。打楽器が数人退場、そして、ファゴットが4本に、ラッパが5人揃って圧巻の限り。で、指揮者の譜面台の上は、ラヴェルのスコアがぱたんと閉じられたまま。すなわち、デュトワは暗譜で振ったのでした。そりゃ、こんなに有名な曲ともなれば、だけど、この演奏会のラストで暗譜とは、デュトワもすごい集中力です。
一楽章、コントラバスが良いなと思って始まった後、どの音を追いながら聞いていたのか、気がついたらチェロのソリでした。この楽章で感激したのは、ラストのティンパニ。装飾音符付きの張りのある音が印象に残っています。そして、金管のディミヌエンドのきれいなこと、きれいなこと。
ニ楽章、いよいよグロッケンのアルペジオの出番。しかし・・・入りはジャストなんだけど、どうにもちょと遅いです。そりゃ、音はずしたら怖いけど・・・前日のバーミンガムだかどっかで同じプログラムだったはずなのだけど、そのとき失敗したのか・・・。そんなに難しかったら、ちゃんと鍵盤グロッケンで演奏すればいいのに・・・。
あと、このニ楽章から、指揮とオケの間にズレが生じ始めました。さすがに、こんな重たいプログラムではね・・・。どういうズレかというと、小節線をまたぐ際、どっこいしょ、というような亀裂が生じたところが何箇所か・・・。
三楽章も無難ではありますが、美しいけど、ドキドキ感が今一つ足りず・・・。しかし、さすがに中間部のファーストのhigh-asのフラジオは、フィルハーモニアといえども、耳に痛い唸りが・・・。
その後の例のところは、金管のファンファーレ付き。
終盤に差し掛かり、中間部主題がオケ全体で演奏されるとのきの一回目。すなわち、シャープが多い短調のとき。ピッコロのオブリガート遅い!ちょい興ざめ。そのあとも、わさわさと音がただ出るだけになり、そして、トロンボーンが二度の循環動機を圧倒的に演奏して、そのまま終わってしまった。Balとしては、ラスト間際のトランペットのタンギング付きで駆け上がる対旋律を聞きたかったのに・・・。
とまぁ、海では若干集中力の欠けたキライはありましたが、あくまでも音色は角のない美しさで包まれた演奏会だったように思います。バルトークではオーケストラの織りなす綾を、ラヴェルではオーケストラが造り出す音色の可能性を、堪能できたように思います。
昨晩、トルプチェスキ Simon Trpčeskiの演奏聞きました。デュトワ指揮、オケはフィルハーモニアで、ラヴェルのピアノ協奏曲のト長調。
席は3階席の2列目の真ん真ん中。ピアノの鍵盤全部見えますた。
1楽章、軽い軽い!軽く演奏してます。腕の動きとか指の使い方がまるでガーシュインを弾いているよう。再現部のハープの独奏の間、トルプチェスキはとても楽しそうにオケを見ています。まるで、オケとアンサンブルをしているよう。実際、この曲は、管楽器が少なく、まるで小さいバンドのようだし。ちなみに、弦は6型。
カデンツに相当するソロでは、単音のメロディーラインを良い音で、適度に響かせていますた。
2楽章。出だしの1ページ(デュラン版のスコアは1ページになっている)の演奏が独創的で、左手の伴奏を、きれいな弱音で演奏しつつ、右手のメロディーは、太めの良い音で、それなりに楽器を響かせるという感じなのだが、ペダルが変わっている。右手のメロディーは美しく、左手の伴奏はボケるように踏む。どういうことかというと右手を中心に踏んで、左手は和音の変わり目でも、不協和音を恐れずに、完全に踏みなおすということはしない。左手の和音が、目に焼きついた残像のように次々に残っていく。だから、右手が前景、左手が背景という感じで、まるで、映画の回想シーンで、背景がボケているような感じ。だから、記憶の中を彷徨っているみたいな感じの音楽が結果として出来上がっていた。
本当にそういう高等なテクニックを使っていたのか、または、単に、右手中心にペダルを踏んでいただけなのか・・・。
2楽章の2ページ以降は、ずっと伴奏に徹していた。木管楽器が次々にメロディーを演奏する伴奏の一部と化していたので、やっぱり、まるで小管弦楽のアンサンブルをしているようだった。まぁ、この曲自体そうと言えば、そうなのだが・・・。
3楽章。出だしは、親指側にあるメロディーはあまり浮き出さず。とにかく勢い重視。この楽章も、軽々と、まるでジャズバンドのピアニストのように弾く。
最後の最低音のgのオクターブを弾くと同時に(実際はgとa)、梃子の原理で立ち上がり、デュトワと握手。これもポップスチック。
拍手の最中も、まるで自分がオケの伴奏をしていたかのように、オケに対して拍手を続けていた。
アンコールの前にスピーチあり。二日前にToshe Proeskiというトルプチェスキの友だちのマケドニア出身のポップス系のアーティストが交通事故で亡くなったのだそうだ。26歳という若さだったそうである(トルプチェスキは28歳)。その追悼の意で、大衆音楽チック、そして、記憶の中の音楽が出来上がったのかも。
そして、アンコールは、初見演奏のためのプレリュード。そんなに遅くないテンポ設定。このアンコールで、初めて、ラヴェル然とした音色をピアノから引き出してきた。
コンサート終了後、ロビーでサイン会あり。せっかくここまで来たので、その場で、トルプチェスキのラフマニノフのCDを買って、サインしてもらった。日本から来たのですか?と聞かれてそうだと答えると、画像のようなサイン。サインをしてもらっている最中、2楽章は、記憶の中の音楽のようだった、と感想をいうと、Yeah!という返事。帰りがけも途中「アリガト」と日本語が入れて挨拶してくれた。トルプチェスキ本人は、まだまだ若く、画像のジャケ写のような笑った表情が良く似合う。
ちなみに、フィルハーモニアの定期ですが、一回前はルガンスキーを迎えて、ラヴェルの左手のための協奏曲で、一回後は、ユンディ・リーを迎えてグリーグのピアノ協奏曲だそうです。w(^_^)w
ゲルギエフの白鳥の湖を聞いた感想。やっぱ、白鳥の湖はいい曲だ。ゲルギエフ指揮は、そんなにアグレッシブでなかったことに大変、驚いた。テンポ設定は、演奏会用テンポというより、やっぱ踊るためのテンポという感じ。曲の最後とか、踊り手がポーズを決めているのが目に浮かぶようだ。
オケの質もすごく良くて、第3幕のマズルカのトリオなんだけど、クラリネットの二重奏がよく揃ったのだけど、びっくりしたのが、その合いの手のオーボエの二重奏。2本のオーボエの表情がこれだけ揃ったオケって、ほかに無いのではないだろうか!という位、凄過ぎ。
で、ゲルギエフのCDだけど、選曲がマリンスキー劇場版ということなので、ほかの版の選曲を確認するべく、イギリスの何とかカンパニーの男性が白鳥を踊る現代的なシナリオらしい奴のCDを聞いてみた。
このCDを聞いて驚いたのは選曲ではなかった。演奏だった。ゲルギエフ版に比べて、すごく雑だった。ゲルギエフが、どんだけ偉大かということがよ~くわかった。やっぱ、指揮者は重要です。
ロンドンのカンパニーの録音は、音符をただ音にしてるだけって感じ。エンタテイメントとしての公演を成功させるためだけという感じ。
それに対して、ゲルギエフの録音は、白鳥の湖を、このバレエ音楽の文化遺産を、音楽芸術として演奏しようとしている感じ。
Balのイメージは、白鳥の湖、眠りの森の美女、くるみ割り人形が、それぞれ、交響曲の第4番、第5番、第6番に対応しているイメージで、今まで、白鳥の湖やチャイ4は、交響的ロシア民謡と似たりよったりかと思っていたが、そんなこと全くないことを、このCDは再度、気づかせてくれた。
コンドラシンがRCA VictorのLIVE STEREOに録音してくれた、ロシアの管弦楽曲集のCD。ハチャトゥリアンの仮面舞踏会、カバレフスキーの道化師、チャイコフスキーのイタリア奇想曲、コルサコフのスペイン奇想曲の4曲。古い録音だから、音質は期待していなかったのだが、きれいにリマスタリングされていて、びっくりした。カミさんも、録音年を聞かされるまで、そんな古い録音だとは露にも思っていなかったようである。
演奏は、どれもいいです。難しい曲が並んでいるのですが、速い走句も一糸乱れぬという感じで、オケの醍醐味が味わえます。速い音符が連続する曲って、よっぽど弦が揃ってないと聞こえてこないものです。その点、この演奏の凄さが、チャイコのラストとか、コルサコフの速い楽章で存分に味わえます。
ただ、カミさん曰く、このオケの打楽器って、肝心なところでハズさない?録音し直しレベルだと思うけど?ということで、実際、結構、乗り遅れてるところが多いのですが、まぁ、オケ全体のノリがいいので、許してもいいかな、と。(^_^;;;
つらつらと音楽系雑誌を眺めていたら、クープランのクラヴサン組曲「サルタンの妃」をもとにしてミヨーが序奏とアレグロという管弦楽の作品を書いていることが判明。どんな曲か興味津々。GETしなくては・・・。
それから、カセルラがバラキレフのイスラメイをオーケストレーションしていることも判明。ゲルギエフが録音しているリャプノフ編曲のバージョンと比べてみなければっ!
それで、アレクサンドル・タローのARIONから出ているシャブリエ全集のCDで、初めてスペインのピアノ版を聞いたのだけれど、この楽譜は、どうやら音友から出ているシャブリエアルバムと同じだった。よくまぁ、この楽譜を弾いているなというか、この楽譜はちゃんと弾けるもんなんだな、と思った。
このタローのシャブリエ全集のCDは3枚組なんだけれど、1枚目と2枚目が独奏曲、3枚目が2台ピアノの曲になっている。そして、スペインは1枚目と3枚目に入っている。
1枚目の演奏を聞く限り、アレクサンドル・タロー氏は、どちらかというと「勢い」を大事にしている。まるで、フラメンコのダンサーが扇を手に持ち、頭上にはね上げる仕草を見ているようだ。
2台ピアノの演奏では、そこら辺は、少し抑えられている。3つのロマンティックなワルツも少々抑えめ。この曲こそ、もっとはっちゃけて演奏しても良いと思うのだけれど・・・。スペインの2台ピアノの録音でも、演奏に注目するというより、シャブリエが1台から2台にどのように拡張したかということの方に注意が向いてしまう。
これからスペイン以外の作品も、まじめに聞いてみよっと。

駒込のトロンコーニ。JR駒込駅を降りて、北東の方角に道を下って行くと、いかにも下町という駒込銀座にぶつかり、それをちょっと外れると、
ごくごく普通の路地にこのトロンコーニがある。トロンコーニのところだけ、別世界!神戸に在っても全然おかしくない!っていうか、神戸に在った方が絶対、納得する。
生ケーキのラインナップも大変、魅力的。価格もそれほど高めには設定されていない。もうすぐハロウィーンなので、店内にはハロウィーン用の菓子もちらほら。焼き菓子も種類が豊富で、宅急便で送ってくれるらしい。
レジのお姉さんにトロンコーニの意味を聞いたら、イタリア語で「年輪」という意味のこと。にしては、店内にイタリア菓子は見当たらなかったけど・・・。
ひさしぶりにケーキ屋らしいケーキ屋に行き、充実感満載です。
某コンクールで中学生がプーランクを歌うと聞いて、RIASのプーランクのその曲のCDを聞いたときのこと。その曲とは、「クリスマスの4つのモテット」から「羊飼いがみたものは」と「今日はキリストがうまれた日」。
この曲は、あんまり真面目に聞いたことがなかったので、初めて真面目に聞いてみたが、あまり冴えない曲だなぁというのが第一印象。
ついでに、同じCDに収録されているミサ曲ト調を聞いた。やっぱ、この演奏は超名演だと思う。
久し振りに聞いたけど、アニュス・デイのラストって、これはカルメル修道女の対話の例の動機と同じではないか!
ちょと感激した。
この前の日曜日、ドキドキのピアノ協奏曲の演奏会を聞いて、さらにワクワクしてみたくなったので、ここ2、3日、立て続けにCD購入。
・ゲルギエフ 白鳥の湖
やっと輸入盤販売。
・アンスネス グリーグ集
ピアノ協奏曲、バラード、抒情組曲抜粋
・コンドラシン ロシアの管弦楽曲集
ハチャトゥリアン/仮面舞踏会、カバレフスキー/道化師、チャイコフスキー/イタリア奇想曲、リムスキー=コルサコフ/スペイン奇想曲
ブリテンのソワレ・ミュージカルとマチネ・ミュージカルのDECCA盤のバーゲンやってたけど、結局、買わずじまい。確か、録音古いし・・・。コンドラシンのも古いんだけど・・・。
感想はまた今度。
今日の王様のブランチのグルメコーナーは丸の内の三つのパンの店。
その一つ目は、「みんなのぱんや」さん。VIRON経由加古川のニシカワ食品系。加古川と言えば、映画コーナーで紹介されてた「リトル・レッド」で主役の声を吹き替えた上野樹里さんの出身地。
二つ目は、「ポワン・エ・リーニュ Point et Ligne」、点と線ってこと?ミステリーちっくなのだろうか・・・。
三つ目は、PG Café Paris。ランチセットのトロワクロック。カラフルです!もうすぐ昼飯です。食いてぇ~。
「そうだ、カフェに行こう!」
ルーセルのフルートとピアノのための作品に「笛吹きたち」という曲がある。4曲から成る組曲で、それぞれの曲名に笛吹きたちの名前が冠せられている。その4人とは、パン、ティティール、クリシュナ、ド・ラ・ペジョディ氏。
学生のとき、フルートの先輩の伴奏を申し出て、練習したのだけど、ルーセルって、シャープとかフラットとか、そんなに付いていないのだけど、和声が古典と全然違うので、楽譜が簡単な割に、全然音符が入ってこなくて、困った。だから、暗譜なんて無理無理で、速い楽章とか、全然ついていけなかった。
だから、誰かさんには、どんなタイプの曲が来ても、音符が頭の中に入るようにと、小さい頃から、デュティユだのショパンだの、左手にめんどくさい和音がある曲をやらせているのだけれど・・・。
それはともかく、ルーセルの和音はとっつきにくく、どことなくインテリっぽい。だから、ルーセルの音楽は、オーケストラの曲で、やわらかい音色の楽器を使ったゆったりした部分でさえも、心底甘い気分に浸れない。バッカスとアリアーヌとか、蜘蛛の饗宴とか、ピアノのための組曲とか、好きな曲はたくさんあるけれど・・・。
前置きを引っ張ったけど、ここからが本題。
最近、フルートを吹くお友達2名と別々のところで、お話しする機会があったのだ。
Aさんはのほほんとした人で、フルートはオーケストラの中だったら、一番高音を吹くから、どう転んでも、必ず聞こえる楽器だも~ん、とのたまった。それでも、最近、ブラームスの交響曲第4番のトップを吹いたばかりなのだが、そのとき、第4楽章のソロに緊張したとのことである。Balとしては、ブラ4の4楽章にそんなフルートの目立つソロなんかあったっけ?と思ったのである。
Bさんに、そのフルートのソロのことを聞いたら、あのソロはとても重要だと言うのである。前半の短調の雰囲気を長調に変えていくという重要な役割を持っていると言うのである。
なので、昨日、真面目にブラ4の4楽章を聞いてみた。なるほど、これがそのソロか、と思ったと同時に、なんか目立たなくて、特に印象に残らないし、そんなに長くないじゃん、と感じた。
Bさんは、ほかにもこんなことを言った。Balさんの楽器は、明らかにソロがたくさんあると思いますよ。古典なんかほとんどソロばっかりじゃないですか。絶対、フルートよりソロは多いですよ。でも、それだけソロばっかりやってるから、どんなに長いソロがあっても、ソロ吹いてるって、全然記憶に残らないんですよね。ということである。
この二つのエピソードから、やっぱ、人の楽器のソロって、自分の楽器のソロより、思い入れが少ないのかもね、と思った次第である。
あと、この二人は、のほほんとした人だったので、今まで思い抱いていた、「笛吹きたち」には、どうひっくり返っても、ひょーひょーと(飄々と)した人が多いのではないか、ということはやはり事実に違いないと、再確認したのだった。ちなみに、二人とも男性です (^_^)。女性の笛吹きたちについては、・・・(ゴソゴソゴソ)。
どうにもこうにも今週は頭の中でチャイコフスキーのバイオリン協奏曲第3楽章が流れ続けていて困っています。日曜の夜に聞いたあと、クラシックの別の曲を聞いていないからです。それだけこの曲が強烈だということでしょうか?今度の週末も、先のチャイコフスキーコンクールで優勝した方の演奏が放映されるとあって楽しみの一つです。
Balの好きなピアノの曲の一つにダマーズの序奏とアレグロがある。この曲は、1992年に野原みどりさんがロン・ティボーで優勝したときの課題曲だ。野原みどりさんの優勝者演奏会のときのCDに収録されている。たぶん、アンコールで弾いたのだろう。
で、序奏とアレグロだが、このコンクールのために書き下ろされたのだそうだ。90年代冒頭に書かれたことを考えれば、現代曲なのだけれど、無調とか、リズムが複雑で小節線がないとか、そんな難解なことはなく、とてもわかりやすいメロディーで綴られている。というのも、基本的にダマーズさんは作曲家ではなくピアノ弾きだからなのかもしれない。ピアニストが即興的に様々な断片を積み上げて作った曲といってもおかしくないかもしれない。
このCDに収録されている野原みどりさんの演奏は興味深い。楽譜のとおりに様々な断片を次々と弾いて行くのだが、ダマーズはメロディーメーカーではないので、それぞれの断片に特にこれといった味わいはないので、ただただ坦々と弾いているという印象しかないのだ。がしかし、その次々と弾くという作業を見ている中で、きっと聞いている人の中に何かが少しずつ溜まっていくのであろう。カタストロフィとも言える幕切れの直後、それまで注意深く少しずつ少しずつ積み上げてきた作業を振りかえって、拍手をせざるを得ないのである。不思議な曲である。
さて、この曲。序奏とアレグロ、序奏部はハープをかきならしているような急速なアルペジオが散りばめられて細かい音符がたくさん聞こえるものの、テンポとしてはとてもゆっくりで、しかも3拍子である。最近、ゆっくりとした3拍子のこの部分が、サラバンドに聞こえてならない。ダマーズは、フルートとハープとチェロの演奏会用ソナタだって、リトルネルロ形式、という古い形式で作品を書いているではないか。だから、この曲の序奏だって、サラバンドを意識して書いたとしても、おかしくないと思う。
最後にもひとつ。この野原みどりさんによる序奏とアレグロの演奏を、今までに何十回となく聞いたおかげで、野原みどりさん独特の歌い回しである野原節も耳についてしまった。○○節って、一つの財産ですよね。○○節を持っている演奏者って好きです (^_^)
その人が合唱付き威風堂々第1番を演奏するというので、その昔エアチェックしたプロムスのカセットテープをごそごそ探していたら、当該テープが見つかるとともに、自分が演奏したテープも同時に見つかった。
ちなみにそのプロムスの演奏は、何年のプロムスかわからないけど、80年代にエアチェックしたことは間違いない。たぶん、アンコールであり、トリオで観客が自然に歌い出すところが断然よく、素晴らしい音楽の場を作り出されていると思う。ちなみに、指揮はコリン・デイヴィス。
その人が、「合唱は、先なの?あとなの?」と聞くから、「たしか、あとだと思うよ。」と答え、名曲解説全集で確かめるとともに、その人にも読んで、ふんふん、と納得してもらった。「Pomp and circumstanceってどういう意味?」と聞くから、「なんかの慣用句じゃなかったっけ?」と答えたら、その人は自分で名曲解説全集を読み返し、真意を理解したようである。名曲解説全集には、シェークスピアと書いてあったけど、実際、シェークスピアのどの作品が元ネタなんだろね?
さて、見つけたもう一本のテープ。これは、学生のときの定期演奏会のもので、その演奏会の前プロだったのだが、冒頭は、がくっ!とするほど、テンポが遅いものの、曲がよいのか、終わってみれば、それなりの満足感に浸れたことは、興味深かった。いや、この日、何度か威風堂々を聞いていて、飽きてきていたのかもしれないが・・・。
問題は次の中プロである。中プロは、先輩が独奏を弾いたチャイコフスキーのバイオリン協奏曲。先輩はこれを23歳か24歳で弾いたわけである。当時は、先輩がこれを弾けるのを、当たり前のように思っていたけれど、今から考えると、この曲をその歳でそんなに軽々弾ける人なんて、実はそんなにいないではないか?やっぱ、先輩は凄かったのだ!
カセットテープなので、テープ自体にノイズなどはあるが、それでも、先輩の演奏はみずみずしく、○十年経った今でも、柔軟で躍動感溢れる弓さばき、そして、歌が伝わってくる。
で、この演奏はBalも参加しているわけで、第3楽章の例のソロを吹いている。これがまた艶やかに吹いていて、自分でもびっくり(手前味噌)。よっぽど絶好調のノリで吹いていたのかもしれない。提示部のfis-mollのときは、憂いを含んで、そして、再現部のG-Durのときは、可憐に吹いているように聞こえた(手前味噌×2)。実際、そう感じて吹いていたのかは、記憶にないけれど・・・。このソロを、当時就いていた故熊田先生に見てもらい、先生のおかげで改善された、というような記憶はある。
このテープを一緒に聞いたその人が「どうやって吹いているか、眼に浮かぶようだワ。当時は、今よりもガリガリだったんだろうけど。」と言うので、「いや、当時は、そんなに体を動かしてなかったはずなんだけど」と答えた。この演奏をしたときは22歳で、まだ後期ロマン派の恍惚感に目覚めてなくて、ドロドロした演奏はしてなかったはずなのに・・・。まぁ、体重はは今より20kgほど少なかったけど・・・(^_^;)
ところで、一般にチャイコフスキーというのは勇壮な響きがかっこいいに違いなのだけれど、バイオリン協奏曲にしても、交響曲にしても、モノローグのような少数の楽器で奏でるメロディーには、憂いとか可憐とか恥じらいとか憧れみたいなキーワードが潜んでいるのだと思う。オネーギンのはじめの方の幕のタチアナである。
だから、チャイコフスキーって、往生際が悪く、自分の世界から抜けでないクローズドな音楽と、内心不安ながらも、一見オープンで、勇壮な音楽と、その両方を聞いたときに、チャイコフスキー聞いたぁ!という満足感が得られるような気がする。
そういう観点から、ここ十日間で接した二つの実演では、悲愴の第3楽章でカオスの中、必死に何かを捜し、確かに存在する何かか、はたまた破滅か、何れにせよ確固たる目標を持ち、それに向かって突き進むという姿をあまり感じられなかったし、また、第4番の第2楽章では、公(おおやけ)のメロディーであるロシア民謡の姿を借りつつも、実は、自分の心の内の弱い部分を、暗く、また、ときに明るく、ふらつきながら綴っている姿をあまり感じられなかったので、チャイコフスキーを満喫したという気分までは至らなかったのである。
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